茅ヶ崎市議会基本条例

茅ヶ崎市議会基本条例

制定:平成23年3月4日 条例第1号

目次

前文
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第4条~第6条)
第3章 市民と議会との関係(第7条~第9条)
第4章 議会と市長等との関係(第10条~第12条)
第5章 自由討議(第13条・第14条)
第6章 委員会の活動(第15条)
第7章 政務活動費(第16条)
第8章 議会及び議会事務局の体制整備(第17条~第22条)
第9章 議員の政治倫理、定数及び議員報酬(第23条~第25条)
第10章 条例の検証及び見直し(第26条)
附則

 茅ヶ崎市議会は、委員会の会議の原則公開、本会議の映像の配信等の手段による情報提供の実施など、さまざまな機会を捉えて議会改革に取り組んできた。

 平成22年4月に施行された茅ヶ崎市自治基本条例(平成21年茅ヶ崎市条例第35号)による新たなまちづくりが展開されている今日においては、市民に開かれ、かつ、分かりやすく、さらには信頼される議会を構築していくことが求められている。

 また、平成12年4月に施行されたいわゆる地方分権一括法により、中央集権型の行政システムから地方分権型の行政システムへと転換が図られる中においても、原則として市の全ての事務に議会の権限が及ぶようになるなど、議会のあり方も大きく変わってきた。地方分権の進展により、自己決定・自己責任に基づくまちづくりが進められていく中、主権を有する市民を代表し、執行機関に対する監視及び評価の機能を持つ議会の役割と責任は、ますます重大になっている。

 このような時代背景の中、茅ヶ崎市議会は、これらの機能の充実を図るとともに、市政の課題を的確に把握し、多様な民意を反映しながら、創意と工夫により政策立案及び政策提言を積極的に行うことができる政策形成機能の向上を図っていかなければならない。

 よって、茅ヶ崎市議会は、この条例を地方分権時代に即した議会の指針として、これまで取り組んできた議会改革をさらに推進するとともに、議会を構成する議員自らが議員としての自覚と見識を持ち、主権を有する市民の負託に的確に応えていくことを示す決意を持って、ここに茅ヶ崎市議会基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、議会を構成する議員と市長がともに選挙により選出された主権を有する市民の代表であるという二元代表制の下での議会の役割を明らかにするとともに、議会及び議員の活動原則等の議会に関する基本的事項を定めることにより、議会が主権を有する市民の負託に的確に応え、もって市民福祉の向上と公正で民主的な市政の推進に寄与することを目的とする。

(条例の位置付け)
第2条 この条例は、議会の基本となる事項を定めるものであり、議会に関する条例、規則その他の規程を解釈し、又は制定し、若しくは改廃するに当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合を図らなければならない。

(議会の役割)
第3条 議会は、議事機関として、次に掲げる役割を担うものとする。

(1)議決により市の意思決定を行うこと。
(2)市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)の事務の執行について、監視及び評価を行うこと。
(3)市政に関する調査研究を通じて、政策立案及び政策提言を行うこと。
(4)意見書の提出、決議等により、国等への意見表明を行うこと。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)
第4条 議会は、議会活動の公正性及び透明性を確保するよう努めるものとする。

2 議会は、市民の多様な意見を踏まえ、充実した討議の下に議会運営を行うよう努めるものとする。

3 議会は、市民に開かれた議会を目指し、議会活動について積極的に情報提供を行うとともに、市民参加の機会の拡大を図るものとする。

4 議会は、市民にとって分かりやすい議会運営を行うよう努めるものとする。

(議員の活動原則)
第5条 議員は、言論が議会活動の基本であること及び議会が合議制の機関であることを認識し、議員相互の言論を尊重するとともに、自由討議を推進するものとする。

2 議員は、市政の課題について、市民の多様な意見の的確な把握に努めるとともに、特定の地域又は個人若しくは団体の意向に捉われず、市民全体の福祉の向上を目指して、積極的に政策立案及び政策提言を行うものとする。

3 議員は、自らの議会活動について、積極的に情報提供を行うものとする。

4 議員は、主権を有する市民の代表であることを自覚し、自らの資質の向上を図るため不断の研鑽さんに努めるものとする。

(会派)
第6条 議員は、議会活動を行うため、複数の議員で構成する会派を結成することができる。

2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動するものとする。

3 会派は、議会の円滑な運営に努めるとともに、政策立案、政策提言等に関し、必要に応じて他の会派との合意形成に努めるものとする。

第3章 市民と議会との関係

(市民参加)
第7条 議会は、議会活動について市民に説明等を行うための議会報告会を開催するとともに、市民の意見を議会活動に反映することができるよう市民との意見交換の機会を設けるものとする。

2 前項に規定する議会報告会の開催及び市民との意見交換の機会を設けることに関し必要な事項は、別に定める。

3 議会は、公聴会及び参考人の制度を活用することにより、市民の意見又は専門的若しくは政策的な識見を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

(会議の公開)
第8条 議会は、委員会(常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会をいう。以下同じ。)の会議を別に条例で定めるところにより公開するものとする。

(説明責任等)
第9条 議会は、議会活動について、市民に説明する責務を有する。

2 議会は、議会活動についての情報を市民に積極的に提供するものとする。

第4章 議会と市長等との関係

(議会と市長等との関係)
第10条 議会は、二元代表制の下、市長等と緊張ある関係を保ちながら、市長等の事務の執行の監視及び評価を行うとともに、政策立案及び政策提言を行うものとする。

(市長等による政策等の形成過程の説明)
第11条 議会は、市長等が提案する重要な政策等について、審議を通じてその政策等の水準を高めるため、市長等に対し、次に掲げる事項について明らかにするよう求めることができる。

(1)その政策等を必要とする背景
(2)他の政策等の案又は他の地方公共団体の類似する政策等との比較検討の内容
(3)総合計画(政策の基本的な方向を総合的かつ体系的に定める計画をいう。以下この号において同じ。)における位置付け又は総合計画との整合性
(4)市民参加の状況
(5)その政策等に要する経費(将来負担すべき経費を含む。)及び財源

(一問一答方式等)
第12条 本会議(全議員で構成する議会の会議をいう。次項において同じ。)における質疑又は質問は、その論点又は争点を明確にするため、一問一答の方式により行うことができる。

2 説明のため本会議に出席した者は、議員の質疑又は質問に対し、議長の許可を得て、質疑又は質問の趣旨を確認するための発言をすることができる。

3 前2項の規定は、委員会の会議について準用する。この場合において、前項中「議員」とあるのは「委員」と、「議長」とあるのは「委員長」と読み替えるものとする。

第5章 自由討議

(自由討議)
第13条 委員会は、議案等の審査を行うに当たり、必要に応じて委員相互間の自由討議を行う機会を設け、議論を尽くすよう努めるものとする。

2 委員会の委員長は、委員会において議案等の審査を行うに当たり、委員相互間の自由討議が積極的に行われるよう議事の整理に努めるものとする。

(政策討議)
第14条 議会は、市政に関する重要な政策又は課題について、議会としての共通認識の醸成を図るため、討議の機会を設けるものとする。

第6章 委員会の活動

第15条 委員会は、議案等の審査を行うに当たり、市民に分かりやすい審査を行うよう努めるものとする。この場合において、審査に使用した資料等を公表するものとする。

2 委員会は、その所管に属する事務について、積極的に調査研究を行うものとする。

第7章 政務活動費
(平25条例1・改称)

第16条 会派及び議員は、政策立案、政策提言等に資するため、別に条例で定めるところにより交付される政務活動費を有効に活用し、積極的に市政に関する調査研究その他の活動を行うものとする。

2 議長は、別に条例で定めるところにより、政務活動費に係る収入及び支出の報告書及び領収証の原本その他支出を明らかにする書類を一般の閲覧に供しなければならない。

3 会派及び議員は、市民から政務活動費の使途等について説明を求められたときは、政務活動費をその経費として使用した調査研究その他の活動の状況及び当該活動に要した経費の支出の状況について説明しなければならない。
(平25条例1・一部改正)

第8章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修)
第17条 議会は、議員の政策立案能力等の向上のため、議員研修の充実強化を図るものとする。

(議会事務局)
第18条 議会は、議会の政策立案機能の向上のため、議員の政策立案活動を補助する議会事務局の調査及び法務に関する機能の充実を図るものとする。

(議会図書室)
第19条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の図書、資料等の充実を図るものとする。

(予算の確保)
第20条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議事機関としての機能を充実するため、必要な予算の確保に努めるものとする。

(議会広報の充実)
第21条 議会は、第9条第1項の責務を果たすとともに、市政及び議会活動についての市民の関心を高めるため、多様な手段を活用し、広報の充実を図るものとする。

(専門的識見の活用)
第22条 議会は、学識経験者等による専門的事項に係る調査を活用し、議会の討議に反映させるものとする。

第9章 議員の政治倫理、定数及び議員報酬

(議員の政治倫理)
第23条 議員は、主権を有する市民の代表者として市政に携わる責務を深く自覚し、主権を有する市民の負託に応えるため、政治倫理の向上に努めなければならない。

(議員定数の改定)
第24条 委員会又は議員は、議員定数を改定するための議案を提出しようとするときは、明確な理由を付して提出するものとする。

2 前項の規定による議案の提出又は当該議案の審査に当たっては、公聴会又は参考人の制度の活用等により、市民、学識経験者等の意見を聴くものとする。

(議員報酬の改定)
第25条 委員会又は議員は、議員報酬の額を改定するための議案を提出しようとするときは、別に条例で定める手続を経た後、明確な理由を付して提出するものとする。

2 前条第2項の規定は、議員報酬の額の改定について準用する。

第10章 条例の検証及び見直し

第26条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかについて常に検証を行い、必要があると認められるときは、速やかに適切な措置を講ずるものとする。

附 則

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

附 則(平成25年条例第1号)抄

1 この条例は、平成25年3月1日から施行する。